西伊豆町安良里港網屋崎の”河原なでしこ”群生地造成の記録

伊豆河原撫子の会  柿澤盛行

河原なでしこの群生地造成に着手してから17年経過し、当初の目的を達成することが出来ました  



種子がこぼれて堤防の上に開花した”河原なでしこ”の花 (2009年7月10日写す)

伊豆半島の各地の”河原なでしこの自生地”が消滅しつつある現状から、伊東市の有志により「伊豆河原撫子の会」を組織して網屋崎に河原なでしこの群生地造成を目的に、安良里漁協の全面的な協力を頂き、平成6年4月に河原なでしこの群生地作りに着手してから今年で15年を経過しました。
 現在まで除草やクズバツルの除去作業等実施して来ましたが、当初植え込みした苗は茅や雑草と共生して完全に根付き、上の写真に見られるように種子が周囲に飛び、堤防の上にまで開花も見られ、海岸線に近い周囲のゴロ石の間にも数多く河原なでしこの子株の繁殖を見ることが出来るまでに旺盛な群落の生育状態を見ることが出来ました。
 このような状態から今後の管理作業は取止めし網屋崎の自然にお任せし、今後、伊東市の伊豆河原撫子の会は浦守神社の祭典と、開花の時期のお花見を楽しみにしたいと思います。

網屋崎の網小屋が水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれ、安良里の網屋崎が地元の熱意で今後、大切に保存し発展する未来に”河原なでしこ”の群落が花を添えてくれる事を願うのみです。長い間暖かいご協力ご支援頂き心から感謝致しております、有難うございました。







網屋崎の”河原なでしこ”



17年前に植栽された網屋崎の河原なでしこの開花状況 

河原なでしこ群生地造成の概要

 西伊豆町安良里港の港口で自然の防波堤を形成しているのが網屋崎である。この網屋崎に「河原なでしこ」の群生地を作り、伊豆の各地からほとんど失われてしまった河原なでしこを保存することが出来ればと計画提案し、友人の協力を得て「伊豆河原撫子の会」を組織し、苗の育成からはじめ、当時の賀茂村教育委員会を通し、賀茂村漁業協同組合の了解と全面的な協力をいただき網屋崎に河原なでしこの植栽を実施することが出来た。
 17年前の1994年〜95年の2年間に亘り1200鉢余の苗の植付と播種を行い、その後、生育状況と経過を見守り、2007年の3月20日浦守神社の祭礼の日に生育状況と、7月25日に開花状況の現地調査を行い河原なでしこ数百株が広範囲に生育いしている事を確認することが出来た。
 今後の管理次第で近い将来網屋崎に貴重な河原なでしこの群生と見事な開花を見ることが出来ると思はれる。 

 2008年3月7日安良里漁協の協力をいただき、網屋崎の浦守神社の清掃と合わせて、伊東市からのボランテアと漁業関係者と合同で雑草の草刈、抜根,清掃を実施することが出来ましたが、雑草とクズバズルの処理が残ったため、5月16日に再び、草刈と除草剤散布、クズバツルのケイピン処理を実施、8月8日に開花状況の調査を行い”河原なでしこ”の生育環境も大きく改善された事を確認することが出来た。
 今後、地元の人達の一段の支援が得られれば将来、網屋崎に貴重な”河原なでしこ”の大群落の見事な開花を見ることも決して夢ではない、今後に大きな期待を寄せるものである





2008年8月8日の河原なでしこの開花状況








1994年3月20日 浦守神社祭礼の日の「河原なでしこ」植付予定地の状況



1994年4月27日 「河原なでしこ」植付作業に着手







1994年4月27日 1年目の植付完了




2008年3月7日 漁協の渡舟で河原なでしこの群生地の除草,清掃作業に向かう










河原なでしこの発芽状況  (2008年3月7日写す)











2008年3月7日   作業を終えて迎えに来てもらう



2008年5月16日    今年2回目の群生地の手入れ作業







2008年5月16日  2回目の作業を終了




2007年3月20日 浦守神社祭礼の送迎の渡船



網屋崎の網小屋