伊豆の君子蘭




下田系姫達磨の「つま紅花」      2013年4月開花




現存最古と思われる純系の「伊豆達磨」平成16年2月9日撮影

伊豆に君子蘭が移入されてからおよそ50年後頃の1950年に南伊豆町石井の旧家、土屋家で培養中の「伊豆達磨」の親株から株分けし、その後56年を経た現在培養中の、由緒正しい貴重な「伊豆達磨」である、当時の親株は現存していない。


伊豆の君子蘭は、1892年、(明治25年)頃、我国に君子蘭が移入されてから比較的早く、明治30年代に気候の温暖な南伊豆に移入された事が伝えられている。
「南伊豆君子蘭同好会」など、以降の熱心な活動があり、品種改良、系統選抜が行われて独特の「伊豆達磨」が作られ、時を経て「下田達磨」と呼ばれるようになり、その中から我国の小形君子蘭の代表種「下田姫達磨」が誕生した。
 さらに、園芸家の(垣本勇氏)により、[下田姫達磨」から選抜された優良種が「神明」と命名され、交配親として画期的な系統の誕生を見る事となった。
 品種改良に情熱を傾け、同好会の指導的役割を果たしていた垣本勇氏が昭和50年に病没し、代表を引き継いだ(三室勇氏)の名前で2年後の昭和52年に「NHK趣味の園芸」に「下田のクンシランづくり」として紹介されると一躍園芸界の脚光を浴びることとなった。
 君子蘭同好会では他種との交配を盛んに行い、二代雑種が作出されたが、限られた数であった純粋の「下田姫達磨」や「神明」が、高価な取り引きにより伊豆から殆ど全国に散逸してしまった。
 今では純系でない物が「下田系」等として取引されているが、残念ながら「下田姫達磨」や「神明」の純系は幻に近いものとなつている。




伊豆君子蘭の代表種   下田姫達磨「神明」




「神  明」




「神 明」との交配により作出された 「神明系覆輪」



神明系縞




神明系縞」


「長泉系覆輪」